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歯周病菌とたたかう免疫システム

歯周病菌が増えてくると免疫システムも活発に

口の中に歯周病の原因菌がどんどん増えてくると、これを防ぎ排除しようとする体の働きが活発になってきます。このような、外敵から身体を守ろうとする生理的な働きを免疫反応といいます。

歯肉炎などで炎症が起きるのは、実は免疫システムがしっかり働いている証拠なのです。これは生来人間が持っているもので、自然免疫といいます。外敵から守ろうとたたかっているから炎症が起きるのです。ところが、炎症が長引くと、免疫反応も過剰な力を発揮し、自らを傷つけてしまうことがあります。それが、重症の歯周病の場合、なかなか回復しない一因にもなってきます。

重症化で登場するサイトカイン

歯肉炎の段階では細菌の数も少なく、免疫システムの主役。血液中の白血球を構成している好中球とマクロファージという通常の武器で敵である細菌をやっつけることができます。このとき大切な役割をするのがサイトカインという生理活性物質です。これは、免疫システムのスイッチにあたります。ところが、歯周炎まで進むと、事情が変わってきます。

炎症が拡大・長期化した歯周炎になると細菌も多くなり、通常の武器だけでは太刀打ちできなくなります。そこで、白血球内のリンパ球にも応援を頼み、リンパ球はさらに強力なサイトカインを送りだし、一挙にたたかいに打って出ます。これを獲得免疫といいます。ところが、このサイトカインが自然免疫のときよりも多く生産されると、敵である細菌だけでなく、自分の細胞組織も傷つけてしまうことがあるのです。

サイトカインの影響でやせ細る歯槽骨

サイトカインの影響をもろに受けるのは、歯を支えている歯槽骨です。

歯槽骨は、体のほかの部分の骨と同じで、常に古い骨は吸収され、新しい骨が作りだされています。骨を吸収する細胞を破骨細胞、骨を作りだす細胞を造骨細胞といいますが、サイトカインはこの破竹細胞の働きを促してしまうのです。

歯周病が拡大・長期化し、炎症が重くなると、それを鎮めようとする免疫反応も強まります。その結果、サイトカインなどの刺激で破骨細胞の働きが活発になり、歯槽骨はやせ細り、吸収されていってしまうのです。

自らの体を守る免疫システムなのに、その働きで歯槽骨がやせ細り、ある日突然、歯がポロリと抜け落ちてしまう……なんてことにならないよう、いつまでも歯周病を放置しておいてはいけません。炎症が起きること自体は免疫機能が正常に働いている証拠ですから、あまり心配することはありません。

歯肉がはねても1、2日して自然に治るようならようすをみていていいでしょう。問題は、炎症が長引くことです。2~3日過ぎても歯肉のはれがおさまらず、出血してきたというような場合は歯科医院を受診しましょう。早めに抗生物質を投与し、炎症を抑えることが大切です。






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